陶芸ノート Spring 2003

今回はPrimitive Firing(原始的/古代の焼成)のクラスを取りました。クラスは粘土づくりから始まり、海岸で穴を掘ってやきものを焼くというpit fire 2回をメインに、アメリカンインディアンなどの伝統的な陶器の焼成法まで網羅。おがくず、紙の窯、しまいには牛のうんちまで…内容も濃く、楽しいクラスでした。いつもと比べると低温での焼成のため、あまり強度がなく作品は非実用品ばかりではありますが、できたものよりも作った過程が楽しかったです。

第1部 Primitive Firingの巻 | 第2部 いつものhigh fireの巻


第1部 Primitive firingの巻

No. Photo/Dimention Data Comment
1 001
直径10.5cm×高さ7cm

自作粘土,
oil varnish,
no bisque,
saw dust

 

手びねりで作ったキャンドルホルダー。クラスの始めにみんなで練り練りして作った自作粘土は、粘度が低くひび割れしやすくて、とっても扱いにくいものでした。表面は半乾きのときに石でツルピカに磨き、乾燥後にサラダ油を塗ってまた石で磨くという、oil varnishでつやを出してあります。内側のつやのなさとの比較するとその差は歴然。
焼成はsaw dust(おがくず)と作品をドラム缶につめて、おがくずをお香のようにじわじわと燃やすという方法で行いました。
2 002
002-1
奥行き6cm×高さ8.5cm
自作粘土,
oil varnish,
no bisque,
saw dust
saw dustで焼くと真っ黒になるということだったので、迷わずHannaちゃん人形を作ってみました。後ろ姿がよく似てる。じつはこの焼成、ドラム缶の中のsaw dustにつけた火が、中程で一度消えてしまいました。ちょうどそのあたりにあったために、体の一部が半焼けで、黒と言うよりグレーになってしまったのが残念。
3 003
直径7cm×高さ4.5cm
自作粘土,
oil varnish,
no bisque,
saw dust
写真で見たアメリカンインディアンのつぼはこんな形だったかなーと思って、ためしにつくってみました。これも表面はオイルを塗って石で磨いてあります。ちょっと模様ぐらいつけてみればよかった。これも半分生焼けでグレー。
4 004
直径9.5cm×高さ8.5cm
Tuff Buff + grog,
no bisque,
saw dust
苔の緑との対比が美しい、黒いミニ植木鉢。庭の隅に生えていた枇杷の幼木を植えてみました。しかし、7月の留守中の暑さがたたったのか木は枯れてしまいました。また何か植え直さねば。
5 005
5cm×13cm×高さ7.5cm
Tuff Buff + grog,
no bisque,
saw dust
ろくろで挽いた中空のドーナツを半分に切り、脚をつけてみました。これも口の空いたところに何か植えられるかな、と思っていたのですが、サイズが小さすぎて植えられるものがない。あと、左右の高さがそろい過ぎで味がない。ドーナツの壁の厚さもまちまちで危なっかしい。
6 006
006-1
5.5cm

自作粘土,
terra sigillata,
cone06

 

手びねりで作った謎の"たこやき"。表面は乾燥後に赤いterra sigillata(つやの出る粘土溶液)を塗り、ギザギザのツールで模様を削ってあります。

電気窯での結果がつまらなかったので1回目のpit fireに入れました。煙で黒くなった分少しは味が出た?

7 007
直径6cm×高さ7cm
自作粘土,
terra sigillata,
cone06
実験段階はまだまだ続く…手びねりの小さなつぼ。赤いterra sigillataを塗り、模様を削り出してみました。電気釜での焼成のみ。メソポタミアの遺跡から出てくるような…といえば聞こえが良いが、これぞまさに、原始!
8 008
008-1
直径6.5cm×高さ10cm
自作粘土,
terra sigillata,
cone06,
pit fire(2)
とにかく自作粘土が扱いにくいので、どうやって形作るかを模索していました。これは板状に伸ばした粘土を型に巻き付けたもの。上の写真が電気釜で焼いた後。面白くもなんともないので、pit(2回目)で焼いてみました。何もしないよりはましだけど…。
9 009
直径14.5cm×高さ17.5cm
MAC + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(1)
1回目のpitで、最も良い色が出た作品。少し大きめのものですが、がんばって小石で磨きました。しかしながら、pitから出て来た時には、ろくろ成形の時に底の締めが甘かったか、はたまた薄くなり過ぎたのか、底が割れてキレイに取れていました。壁にも大きな亀裂がいくつか。色がきれいなのでもったいないと思い、接着剤でくっつけちゃいました。遠目にはわからないかも。
10 010
直径14cm×高さ15.5cm
Tuff Buff + grog,
cone06,
pit fire(1)
とにかく大きいものを作ってみたくて必死でつぼを作ったのですが、やはり技術的にこの程度の中途半端な大きさが限界。表面を磨くのも9番ので疲れてしまったので、つやもなく平凡な仕上がりです。
11 011
直径12.5cm×高さ22.5cm
Tuff Buff + grog,
cone06,
pit fire(1)
スリムに作れば背が高くなるかも!という試行。上の方の中心がずれてグラグラし始めたので、側面に模様をつけてごまかした。pitに逆さまに入れた時、まっすぐ入ってしまったようで、おがくずに埋まって黒くなった部分が見事な水平。味気ない。
12 012
直径13cm×高さ14.5cm
B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(1)
ある人には「骨つぼに最適」と言われたふた付きのつぼ。先生の作品の、ふた付きで、取っ手が小枝でできていたのが美しかったので、ちょっと試してみたくなったのです。でもつぼ自体が気に入らないため取っ手をつける気がしません。お蔵入りの可能性高し。
13 013
直径9.5cm×高さ12.5cm
MAC + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(1)
インターネットで日本のどこかの地方の伝統的なやきものに、こういう彫りが施されているのを見ました。手順が簡単に説明されていたので、実験。あまりにも細かい作業に、これだけ掘るのがやっとでした。pitで焼いたけど、網目が壊れていなかったのでラッキー。
14 014
直径7cm×高さ8.5cm
B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(1)
七面鳥の卵…はこれくらいの大きさでしょうか。本当は恐竜の卵みたいな大きいのが作りたかったのですが、諸事情により今回はこのサイズで。
15 015
直径5cm×高さ5.5cm
B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(1)
ミニミニつぼはろくろで挽きました。表面磨きにもだんだん慣れて来た。黒い部分の一部は鉛筆の芯のようなメタリックな輝きが出ています。
16 016
直径4.5cm×高さ6.5cm
B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
dung
このミニミニつぼもろくろ成形。dung(牛のうんちのパリパリに乾燥したもの)を燃料にした焼成で全身黒光り。クラスでは本物のうんちではなくおがくずを原料にした代替品を使いました。ほっ。
17 017
(左)直径5cm×高さ7.5cm
(右)直径5.5cm×高さ9cm
(左)B-mix + grog,
white terra sigillata,
cone06,
paper kiln
(右)B-mix + grog,
white terra sigillata,
no bisque,
pit fire(1)

今回のテーマの一つに洋梨を選んでみました。これらは手びねり。

(左)paper kilnで焼きました。新聞紙に粘土をどろどろに溶いたものを含ませ、木で組んだテントのような骨組みにハリボテの要領で貼って作った即席かつ使い捨ての窯です。おがくずで焼いたものと同じような、真っ黒な仕上がり。terra sigillataがちょっとはがれてしまった部分もあります。
(右)bisque(素焼き)していかなかったので、粘土の中に含まれていた空気が膨張して爆発したらしい。表面がふっ飛んでまるで誰かがかじったようになりました。狙ったわけではないが、このほうが面白いかも。

18 018
径4cm×長さ10.5cm
B-mix + grog,
white terra sigillata,
no bisque,
pit fire(1)
アメリカンインディアンといえば、とうもろこしでしょう(?)ということで。手びねりで作って、表面は白いterra sigillataを塗りました。厚塗りし過ぎたようで、焼成時に剥げてしまった部分がありますが、oilで磨いたものとは違った光、色が出ました。
19 019
直径10.5cm×高さ10cm
Tuff Buff + grog,
cone06,
pit fire(2)
4番の植木鉢の、ちょっと大きい版。微妙なことだが4番の方が形がきれいだと思う。
20 020
5cm×13cm×高さ7cm
Tuff Buff + grog,
cone06,
pit fire(2)
5番の一卵性双生児(ドーナツの残り半分)。こっちはpitで。表面を磨いていないものはどうも赤の出方も弱いしインパクトに欠ける。やはり時間をかけないとだめってことでしょうか。
21 021
直径7.5cm×高さ9.5cm
Tuff Buff + grog,
cone06,
pit fire(2)
楽焼き用の窯で高温に加熱し、表面に馬の毛をのせて焦げで模様をつけるというのをやってみたのですが、あまり気に入らなかったので2回目のpitで再度焼きました。でも、もともと形が気に入らないので、何をしても気に入るようにはなりませんでした。これが今回の教訓。最初に嫌いなものは何度焼いても嫌い。
22 022
直径10cm×高さ7cm
自作粘土,
cone06,
pit fire(2)
1番の作品と同様のデザインで脚付きを作ってみました。これは表面を磨かなかったので、でこぼこ。pitの赤が後ろ側にしか出なかったので、正面からみると黒&グレーのみ。
23 023
(奥)10cm×13cm×厚み4cm
(手前)6cm×7cm×厚み3.5cm
自作粘土,
terra sigillata(左のみ),
cone06
思いつきでオカリナを作っていたら、それを見た人たちが私も私もと言い出し、スタジオ中で笛づくりが大流行。インターネットで作り方を調べたのですが、その英語訳まで作るはめになってしまいました。高い方の音がかすれてしまいますが、「チューリップ」「ロンドン橋おちた」ぐらいなら演奏できます。特に小さい方がお気に入り。素焼きだけだと口がくっつく感じがするため、表面はトールペイント用のバーニッシュを塗りました。
24 024
(左)直径6cm×高さ10cm
(左)B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(2)
洋梨シリーズ:小さい子チーム。
右から2つは17番に登場した子たちです。左のが2回目のpit fireで焼いたちょっと大きめの子。皮が飛んで行かないように、素焼きしてからpitに入れました。また、terra sigillataは塗り加減が難しく、多すぎるとはがれてしまうので、時間はかかっても確実なoil varnishにすることにしました。みんなそれぞれに特徴があって、3つ並ぶとちょっとカワイイ。
25 025
(左)直径15cm×高さ19cm
(中央)直径13.5cm×高さ17cm
(右)直径13.5cm×高さ20cm
B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(2)
洋梨シリーズ:大きい子チーム。
左から順に、お尻の大きなふとっちょな子、ヘタがなくなりボウリングのピンになってしまった子、背筋の伸びた自信家の子。大きいので、小石で磨くのはかなり大変でしたが、テレビを見ながらちまちま磨いた磨いた。ちなみに、ベストの作品を1つだけ持っていくという最後の提出には、右の子を連れて行きました。色も黒、グレー、赤、オレンジ、黄色といろいろ出ていてキレイです。
26 026
(中央のビーズ)2cm×3cm×厚み1.5cm
B-mix + grog,
oil varnish,
cone06,
pit fire(2)
大きなビーズを作ったので、革ひもを通してネックレスにしてみました。汚れがつかないよう表面には水性のバーニッシュを塗ってあります。

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第2部 いつものhigh fireの巻

クラスの課題以外に作った作品たち。

No.
Photo/Dimention
Data
Comment
1
h001
直径17cm×高さ18cm
Tuff Buff,
Sierra stone green / Oribe,
Oxidation
結婚祝いに作ったワインクーラー。前期なかなか高さが出せずに今期まで保留になっていました。
2
h002
16cm×21.5cm×高さ9cm
Bmix,
Black underglaze pancil,
Clear / Oribe,
Oxidation

これも前期から試行錯誤している、野球用ヘルメットを型にしたサラダボウル。だいぶいい感じになってきました。が、ふちのところにひび割れが1つ。これさえなければねえ。

3
h003
直径8cm×高さ6.5cm
Black Mountain,
Eucetace white,
Reduction
これもまた前回失敗に終わったそば猪口。前回あまりにも大きいのを大量に作ってしまったので、こんどは小さめに、とりあえず2つだけ作ってみました。大きさはよくなったけど、ちょっと分厚いかも。
4
h004
直径8.5cm×高さ18cm
Black Mountain,
Tenmoku(内側のみ),
Reduction
焼き締めに櫛目をいれただけの花瓶。シンプルで背の高いのが1つ欲しかったので作ってみました。分厚い!重い!それはすべて安定のための計算ですってば。
5

h005
(本体)6.5cm×8cm×高さ6.5cm
(受け皿)直径11cm

Black Mountain,
Shin's shino,
Reduction
Menlo Parkのクラフトフェアで見た誰かの作品の形を…あ、またパクっちゃいました?おしょうゆ差しです。水切れいまいち。
6
h006
直径9cm×高さ10cm
Black Mountain,
SVB Gold / Maria's white,
Reduction
どこかのサイトで宝瓶(しぼり出し)というのを見て、試しに作ってみたのですが、大きすぎるし形状に欠陥があってつかみ所がない。いいの、こういう注ぎ口が作ってみたかっただけだから。
7
h007
7cm×6.5cm×高さ7cm
Black Mountain,
Wood's celedon,
Reduction
これまたしょうゆ差し。水切れは悪くないが底が分厚くてどっしりしている。釉薬が多すぎて流れてしまったため、底が棚板にくっついた(大ひんしゅく。はがれてくれてよかった。)

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